桜の名所・小金井公園を丸1日かけて満喫する散歩|アクセス・梅林・たてもの園も紹介

公園

 かつて西の吉野と並び称された桜の名所の生まれ変わりがある。約50種1400本のサクラが植えられた小金井公園は、東京西部きっての都立公園だ。武蔵野の雑木林にカワセミが飛来する池、近い距離で楽しめる梅林に歴史的建造物を保存する野外博物館。園内を全て回ると4時間はかかるという広大な敷地には、見どころが尽きない。公園を横断する総歩行距離9kmの散歩を紹介していく。

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小金井公園へのアクセス

東小金井駅前のバスロータリー
東小金井駅前のバスロータリー

 公園の公式サイトによれば、武蔵小金井駅から関東バス「江戸東京たてもの園前」行きが最短ルートだという。しかし実際にはこの路線は平日のみ、しかも運行本数が極めて少ない。

 東小金井駅からCoCoバスで「小金井公園入り口」、または花小金井駅から西武バスで「小金井公園西口」でも行くことをおすすめする。

 桜や梅を目当てにするなら、武蔵小金井駅から西武バスで「小金井公園 西口」で下車するのがいいだろう。テニスコートや野球場、広場で遊ぶのが目的なら、東小金井駅から京王電鉄バス東01系統で「梶野橋」下車、あるいは武蔵境駅から関東バスで「小金井公園東口」が便利だ。いずれにせよ、バスの利用をおすすめしたい。

歩いた軌跡
歩いた軌跡

 とはいえ、散歩好きの方には駅から歩いてみることを提案したい。筆者は東小金井駅から30分ほどかけて歩き、東口から入園した。そのまま園内を横断し、西口から退園して武蔵小金井駅まで歩いた。総歩行距離はおよそ9kmにもおよんだ。これはかなりのハードモードなので、駅から公園まではバスを使うなど、各々のペースで楽しんでほしい

東小金井駅から歩く

東小金井駅
東小金井駅

 東小金井駅の北口に降り立つと、駅前だというのに空が広い。駅舎は灰色に黄色いラインが入っており、まるで巨大な総武線のようだ。駅の周辺には飲食店やおしゃれなカフェが点在しており、出発前のコーヒー休憩にも困らない。

 駅から北へ歩きはじめると、興味深いものに出くわした。玉川上水を渡ったすぐそばにある「日本列島植木植物園」である。これは植木の生産者たちがそれぞれの圃場を公開しているもので、全国の圃場の植木情報を提供する植物園だ。敷地にはさまざまな木が植えられており、しばし足を止めて眺めた。

公園に入園

なかよし広場
なかよし広場

 玉川上水を渡り、公園の東口から入園する。東口付近には野球場やテニスコートがあり、社会人や学生たちがプレーに汗を流していた。

 少し進むと「なかよし広場」という幼児向けの広場があり、カラフルな遊具がいくつか並んでいる。小金井公園には幼児向けの遊具から若者向けのスケートボード場、社会人向けのテニスコートまで揃っており、老若男女だれもが楽しめる公園になっている。

 小金井公園は武蔵野段丘のゆるやかな起伏を活かした広場がたくさんある。公園の東側だけでも「ゆりの木広場」「ユーカリ広場」「つつじ山広場」「こどもの広場」「わんぱく広場」と枚挙にいとまがない。広場の楽しみ方は人それぞれで、レジャーシートを広げて日光浴をしている人もいた。西東京の公園は23区の公園と違い、ゆったりと人目を気にせずくつろげるのが魅力だ。

つつじ山広場
つつじ山広場

 つつじ山広場には、文京区にある六義園から挿木繁殖したツツジが多数植えられている。冬に訪れたので花こそ見ることができなかったが、春にはさぞ立派に色をつけるのだろう。小金井公園は桜の名所でもあるから、この公園を存分に楽しむなら春に訪れるのがよいかもしれない。

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かつて富士が見えた丘

富士見の丘
富士見の丘

 この公園でとりわけ好きなスポットのひとつが「富士見の丘」だ。高さはおよそ7メートルほどあり、丘の上からは西東京市の街なみが少し見渡せる。名前のとおり、かつてはここから富士山が眺望できたというが、それはもう昔のはなし。今は見ることができないのだそうで残念だ。

 丘の斜面はソリゲレンデになっており、最高斜度17度の迫力満点のソリすべりを楽しむことができる。

 園内にはベンチが多数あるけれど、ひとりやふたりで訪れているなら、この富士見の丘のベンチで軽食をとるのがおすすめだ。高い位置で爽やかな風を感じ、眺望を楽しみながらご飯を食べられる贅沢は、なかなか味わえるものではない。

おにぎり
景色を眺めながら軽食

サイクリングコース

サイクリングコース
サイクリングコース

 園内にはサイクリングコースが整備されている。西東京の大きな公園では、園内でサイクリングを楽しめることがある。小金井公園でも自転車で自由に回ることができるのだ。園内をすべて回ろうとすると4時間はかかるので、移動には自転車を使うのがよいだろう。

 園内中央北にあるサイクリング専用コースは、子供の広場や雑木林のそばを通り、自転車しか通れないので安心してスピードを出すことができる。コースは「止まれ」の標識があるなど本格派だ。サイクリングセンターで自転車の貸し出しを行っているので、手ぶらで訪れても大丈夫だ。

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武蔵野の自然を守る雑木林

雑木林
雑木林

 園内北の雑木林の近くを通る。ここは広さが16ヘクタールもあり、武蔵野の自然の面影を色濃く残している。具体的にはケヤキやクヌギ、コナラなどが生い茂っている。

年々衰退するこの雑木林を後世まで残すため、枯れている木を間引いたり、若木の補植を行って雑木林全体の更新が図られている。また、侵入してきた外来種を移植するなどして、武蔵野本来の雑木林の姿を目指して継続的に手入れがなされている。

このエリアはバードサンクチュアリーとしても活用されているが、立ち入り禁止のため中には入れない。

ふたつ池

ふたつ池
ふたつ池

 雑木林の北に「ふたつ池」がある。その名のとおり、ふたつの小さな池があり、公園内の雨水を調節する役割をもっている。

 ここでは水辺の鳥を観察することができる。毎年カルガモが営巣し、かわいらしい子育ての様子を見ることができるそうだ。マガモなど多くのカモ類は冬に日本へやってくる渡り鳥だが、カルガモは一年中みられる留鳥で、水草を主食にしている。ほかにも、水中の小魚を目あてに「森の宝石」とよばれるカワセミやサギの仲間、カワウなどが飛来するという。池にはメダカやモツゴも生息しており、小さな水辺ながら豊かないのちが息づいている。

かいぼり
かいぼりの実施報告

 ふたつ池では定期的に「かいぼり」が実施されている。かいぼりとは池から水を抜き、水質の改善や外来種の駆除を目的に行うもので、小金井公園では2019年と2023年に実施されている。おそらく次の実施は2028年ごろではないだろうか。ボランティアの協力のもと、生物の捕獲イベントを行ったのち、池底に堆積した落ち葉や泥を除去して清掃する。自然保護に積極的に取り組む公園の姿勢がうかがえる。

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様々な用途で利用される公園

広場
広場

 公園の北西には小金井カントリー倶楽部というゴルフ場が広がっているのが見える。小金井公園中央を南北につらぬく通りを北から南へ歩く。なお、小金井公園は災害時の大規模救出・救助活動拠点にも指定されている。ふだんはのどかな公園が、いざというときには街のいのちを守る場所になるのだ。

 公園の中心部にはこどもの広場やわんぱく広場がある。わんぱく広場には子ども向けの遊具がそろい、よくある公園といった趣だ。建物の壁面にもこども向けのイラストがあしらわれている。

パークス小金井店

 近くにはパークス小金井店があり、食べものや飲みものを販売している。そのほか園内にはそば茶屋などもあり、食べものには事欠かない。公園を出てコンビニへ行くのはなかなか遠いので、園内で済ませられるのはうれしいかぎりだ。もちろん、お弁当をもちこんで広場でピクニックするのもいいだろう。

駐車場が充実している公園

駐車場
駐車場

 公園の中央南には正門口がある。いくつかある入り口のなかで最も大きく、第一駐車場を利用する際もここから入る。小金井公園にはふたつの駐車場があり、中央南に400台超の第一駐車場、南東に100台超の第二駐車場がある。総合体育館や弓道場、梅林や梅の園、江戸東京たてもの園が目当てなら第一、野球場やテニスコート、バーベキューが目当てなら第二と使い分けるとよい。正門口では団体客向けの大型バスが出入りする姿も見られた。

 駐車料金は一時間まで300円、以降20分ごとに100円。平日は12時間までの最大料金が1200円だが、土日祝には最大料金の設定がない。仮に6時間とめた場合は1800円となる。

駐車料金
料金

梅林

梅林
梅林

 いよいよ梅林に訪れた。季節は二月中旬、ちょうど梅が見ごろを迎えていた。小金井公園の梅林は園内の西南に位置し、最寄りは正門口だ。

 梅林は広く、梅の木はゆとりをもった間隔で点在するように植えられている。ここの梅の木は幹が太く、力強い印象を受けた。とりわけ筆者がいいなと感じたのは、梅林に柵がないことだ。梅をきわめて近い距離で楽しむことができ、梅林の世界のなかに飛びこむように鑑賞できる。右を見ても左を見ても梅に囲まれる体験は、小金井公園ならではだろう。

東屋
東屋

 梅林には東屋と多数のベンチがあり、腰をすえて観梅することができる。机つきのベンチもあるので、お弁当を広げて梅を見ながらピクニックもよさそうだ。大きな東屋には屋内と屋外それぞれにベンチがあり、観光客が多くとも比較的すぐに座ることができた。不思議なことに、ただ梅林のなかを歩いて見るのと、東屋から眺める風景とではまったく違う印象を受ける。すこし離れた場所から俯瞰することで、梅林全体の美しさが浮かびあがるのかもしれない。

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江戸東京たてもの園

江戸東京たてもの園
江戸東京たてもの園

 園内には「江戸東京たてもの園」がある。ここは文化的価値の高い歴史的建造物を移築し、復元・保存・展示する野外博物館だ。当時の面影を残した貴重な民家や建物を見ることができる。屋外には黄色い車体が映える都電7500形が置かれており、梅園から梅とともに撮影することができた。

 観覧料は400円。一通り見てまわるのにはそれなりの時間がかかり、閉園は夕方と早いので、公園と一緒に回るのは時間が足りないかもしれない。この施設だけを目的に訪れる価値がある。

小金井公園最大の見どころ「桜の園」

桜の園
桜の園

 ついに公園の西端にやってきた。西口近くには「桜の園」がある。2.9ヘクタールの敷地に37種類およそ400本以上の桜が植えられており、これが小金井公園が桜の名所として知られるゆえんだ。

 その歴史は江戸時代にまでさかのぼる。徳川吉宗の時代、玉川上水の小金井橋を中心に両岸にヤマザクラの並木が咲きほこり、「小金井桜」と呼ばれていた。江戸時代の後半になると名所図会に紹介されたり錦絵に描かれたりと、庶民に絶大な人気を誇るようになる。

 近代に入ってからも明治天皇が行幸し、名勝に指定されるなど名声は続いたが、桜はしだいに衰えてしまった。そこで小金井公園を小金井桜に代わるサクラの名所として整備することになり、昭和29年の開園に合わせてヤマザクラをはじめ武蔵野の地に合うさまざまなサクラが植えられた。今では公園におよそ50種1400本ものサクラが植えられるまでに至った。

桜の園2
春には立派な桜が咲くのだろう

 見ごろはおおよそ3月下旬から4月上旬。サクラは園内各所にあるので、やはり小金井公園はサクラの季節に訪れるのが1番かもしれない。

SL展示場

SL
SL

 園内の西南にはSLが展示されている。展示車両はC57形蒸気機関車とスハフ32形客車だ。全国各地を走っていた蒸気機関車は、1975年に役目を終え、小金井公園に展示されることとなった。

 ふだんはSLの回りに柵が設置されており外からしか見ることができないが、3月から11月の土日祝と都民の日には公開される。また、ときおりSLにまつわるイベントが開催され、客車に立ちいって中を見学することもできる。2025年には展示50周年を、2026年には製造80周年を迎え、それぞれ記念のイベントが行われた。柵の外からSLを眺めたが、遠目からでも今にも動きだしそうな力強さを感じた。

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小金井公園の周辺でおすすめのスポット

小金井橋
小金井橋

 公園の西口から退園するが、小金井市にはまだまだ名所が多い。玉川上水に架かる小金井橋は1653年の架橋以来、木橋から石橋、レンガのアーチ橋へと姿を変えてきた。吉宗の時代に両岸6kmに植えられた桜並木は広重の錦絵にも描かれ、西の吉野と並び称された。

近くには「御成の松跡」もある。1844年、13代将軍家定(当時は世継ぎ)が大雨のなか花見に訪れ、里人が記念に植えた黒松だ。惜しくも平成6年に枯れたが、二代目の松が歴史を静かに受け継いでいる。

まとめ

RAKU SPA Station 武蔵小金井
RAKU SPA Station 武蔵小金井

 そこから歩いて武蔵小金井駅へ向かった。東小金井駅から公園へ向かったときは閑静な住宅街や畑の風景だったが、武蔵小金井駅への道は発展した街の風景なのが印象的だ。とはいえ小金井橋や御成の松跡を過ぎたら後は特に名所は無いので、「小金井橋」というバス停で駅までバスに乗ってもいいだろう。

 武蔵小金井駅のガード下には「RAKU SPA Station 武蔵小金井」というスーパー銭湯がある。都市の銭湯ゆえ露天風呂はガード下で青空こそ見えないのが難点だが、そのぶんサウナが充実していた。お風呂の種類はたくさんあり、休憩スペースやコワーキングスペースも整っている。レストランで筆者は担々麺をいただいたが、ラーメン好きの筆者でも満足できるほどスープは濃厚で山椒が効いておりおいしかった。

 東小金井駅から小金井公園をめぐり、武蔵小金井駅まで。小金井市をまるごと散歩する一日はいかがだっただろうか。歩くもよし、バスなどの公共交通機関を利用してもよし。体力に応じて歩く距離を調整できるコースになっているのではないかと思う。

住所:東京都小金井市関野町1丁目13−1

入園料:無料

営業時間:24時間

駐車場:あり

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