【東京港野鳥公園】渡り鳥の中継地や年越しのために作られた、自然と野鳥のための公園

概要

東京港野鳥公園は、東京都大田区の東京港に面する海浜公園。

公園全体が野鳥の生息地であり、春や秋には渡り鳥の中継地、冬には年越しとして多くの野鳥が訪れる。

園内の「ネイチャーセンター」では、望遠鏡や図書が完備されており、野鳥の観察や学習ができる。

元々この場所は浅い海だったが、1960年代に港や交通網の整備、工場用地の確保のために埋め立てられた。

埋め立てられた土地が落ち着くまでの間に、自然にできた池や草原に野鳥が集まるようになり、地元の人々が野鳥観察に訪れるようになった。

そして、東京湾が日本の渡り鳥の中継地点として貴重であることから、地域の人々が自然を守る運動を始め、「東京港野鳥公園」として整備された。

この公園は、自然保護を目的としており、野鳥を観察しながら自然について考える場となっている。

基本情報

営業時間:午前9時〜午後5時(2月〜10月まで、それ以外は午後4時半まで)
休園日:毎週月曜日:年末年始
住所:東京都大田区東海3丁目1
アクセス:東京モノレール「流通センター」駅から徒歩15分 もしくは京急バス「野鳥公園」または「東京港野鳥公園」から徒歩5分
入園料:大人300円・60歳以上150円
https://www.tptc.co.jp/park/03_08

レビュー

東京港野鳥公園の概要

東京モノレール「流通センター」駅から徒歩15分ほどの場所に、東京港野鳥公園がある

流通センター駅からの経路

駅から少し歩くので、バスを利用するのもいいだろう
公園の目の前にバス停がある

公園は入場料が必要なので、忘れずに管理事務所に立ち寄ろう

券売機で300円の入場料を支払うことができる

クレジットカードにも対応しているのはありがたい

東京港野鳥公園は「いそしぎ橋」を挟んで東西にエリアが分かれている

どちらから回っても問題ないが、入り口は西円にあるため西園から東園の順で見ていくのがいいだろう

西園

西園には広々とした芝生広場や、屋根付きの休憩舎がある。

芝生広場
休憩舎

特に夏はとても暑いので、熱中症に気をつけながら適宜こうした場所で休憩をしよう。

進んでいくと、昆虫や水辺の生き物を観察できる「自然生態園」がある。

自然生態園

なんでも、かつて人と生き物が共存していた里地里山の風景を復元しているらしい。

また、自然観察会や工作教室が行われる木造の「自然学習センター」もある。

学校の社会科見学や地域サークル向けに事前申請制の観察プログラムも提供しており、積極的に自然を学べる機会を提供している。

東園

「いそしぎ橋」を渡り、東園へと向かう。

いそしぎ橋

羽田空港が近いため、空には飛行機が近くを飛ぶ姿を見ることもある。

鬱蒼とした森林を進むと、「東淡水池」が現れる。

東淡水池

東観察広場の木窓から覗くと、遠くに鳥が泳ぐ姿が確認できる。

しかし、あまりにも遠すぎて筆者の手持ちのカメラでは種類まで確認できなかった。

もし公園を訪れるなら、高倍率の双眼鏡や望遠レンズを持っていくことをお勧めする(スマホではほとんど撮影できない)。

東観察広場

中々鳥を撮影できず焦っていたその時、なんと柵に鳥が止まっているではないか!

急いでカメラを向けよく見てみると、なんと精巧に作られた鳥の彫像だった。。

こうした細かい工夫が、野鳥公園らしい魅力を感じさせる。

森を抜けると、眼前にとてつもなく広い池が現れた

これが、海水と淡水が混じった”潮入りの池”だ

潮入りの池

春から秋の干潟ではトビハゼ、ヤマトオサガニが見られ、冬にはスズガモなどのカモの仲間が飛来するという。

ここは先ほどの東淡水池より間近に鳥を観察することができ、”カワウ”を撮影することができた

カワウ

この潮入りの池は、隣接する「ネイチャーセンター」から最もよく見える。

ネイチャーセンター

ネイチャーセンターは、潮入りの池に生息する鳥を観察できるだけでなく、野鳥について学べる図書室や展示室、飲食可能な部屋も備えている。

冷暖房も完備されており、季節を問わず快適に野鳥を観察できる環境が整えられているのだ。

早速1階の観察ロビーへ行くと、窓が一面ガラス張りで見晴らしがとてもいい

前面には潮入りの池が丸々収まり、杭に休憩していたり悠々と水面をただよう野鳥の姿が見られる

ネイチャーセンターから撮影した写真

無料で使える望遠鏡や、野鳥の様子をリアルタイムで大型モニターに映すライブカメラもあるので、

手ぶらでも野鳥を観察することができるのは非常に嬉しい

ライブ映像

実際に望遠鏡を覗くと、遠くからでは分からない野鳥の模様、仕草を観察することができた

地下1階には「干潟遊歩道」があり、干潟の上に設置された遊歩道からカニやハゼといった生き物を観察することができる。

少し億劫だが、涼しかったネイチャーセンターを後にして暑い外をさらに奥に進むと、”前浜干潟”が現れた。

前浜干潟

これは、より多くの野鳥が飛来する環境を整えるために、2018年4月に拡張された比較的新しい干潟だ。

春や秋にはキョウジョシギやキアシシギ、冬にはスズガモなどのカモの仲間が飛来する。

ここはネイチャーセンターや「前浜干潟観察デッキ」から見ることができる。

前浜干潟デッキには日除けや椅子が設置されており、特に暑い夏には休憩場所としても機能する。

前浜干潟デッキ

観察用の窓から覗くと、無数の杭や棒の上に鳥が佇んでおり、東京とは思えないのどかな風景を楽しむことができた。

まとめ

東京港野鳥公園は、都会の喧騒から離れ自然とじっくり向き合える貴重な場所だと感じた。

また、観察窓は大人から小さな子供まで全ての人が見れるよう異なる高さを用意していたり、

至る所にベンチや日除けが設置されているなど鳥だけでなく人間にも優しい公園になっていた。

自然を守りつつ、訪れる人々に学びの機会を提供するこの公園は、まさに自然保護の理想的なモデルだと思う。

次回訪れる際には、双眼鏡を片手に、より一層深い観察を楽しんでみたい。

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