江東区の花に指定されている「サザンカ」。
冬に咲く数少ない花から「困難に打ち勝つ」という花言葉を持ち、さまざまな色や形の品種を楽しむことができる。
そんなサザンカの木が約50種4000本も植えられている東京屈指の名所が、江東区にある「亀戸中央公園」だ。

日立製作所亀戸工場の跡地を整備する形で1980年に開園した本公園は、東武亀戸線「亀戸水神」駅から徒歩2分、JR「亀戸」駅から徒歩10分という好立地。
それでいて、公園は住宅地に囲まれ、すぐ横には旧中川が流れるなど落ち着いた雰囲気を楽しむことができる。
公園には3つのエリアがあり、時計塔を中心とした広場や遊具を備え子供が楽しめるA地区、人工池(夏季のみ)や休憩テラスがあり一息つけるB地区、そしてテニスコートや多目的広場などアクティビティを楽しめるC地区に分かれている。
サザンカはC地区にあるサザンカコーナーが最大の見どころながら、園内各所に点在している。
また、スカイツリーや総武線とサザンカを一緒に撮影できるなど写真映えもバツグン。
今回は、園内サザンカマップを片手に亀戸中央公園をくまなく歩いた現地レポートをお届けしていく。
冬でも充実した散歩を楽しめる、多種多様なサザンカが咲く公園だ。
住所:東京都江東区亀戸9丁目37−28
アクセス:東武亀戸線「亀戸水神」駅 徒歩2分、JR「亀戸」駅 徒歩10分
開園時間:24時間開園
駐車場:なし
現地レビュー
すっかり冬本番の季節になった12月中旬。
紅葉が見頃を終え、散歩の動機づけに何か見頃の花はないかと探していたところ、何やらサザンカが冬でも咲くとの情報を見つけた。
さっそく都内でサザンカの名所を探したところ、亀戸中央公園や神代植物園、皇居東御苑や新宿御苑などがおすすめとの情報が。
筆者は東東京に住んでいるので、1番近い亀戸中央公園を訪れることに。
亀戸中央公園は江東区亀戸にある都立公園で、都道の丸八通りと旧中川に挟まれた所に位置している。
最寄り駅は東武亀戸線の東武亀戸水神駅。

東武亀戸線は曳舟と亀戸を結ぶ短距離ローカル線で、2両編成のワンマン運転が特徴の路線だ。
亀戸水神駅を降り、非常に道幅の広い丸八通りを渡って公園に入る。
園内サザンカマップを片手に歩く
もしサザンカを見に行くのであれば「TOKYO EAST PARK」さんが公開しているサザンカマップを参考に歩くことをおすすめする。
このマップには、園内のどこに何の品種のサザンカが咲いているのか、見頃の時期と併せて写真付きで記載されている。
ただ歩くだけではサザンカを見逃してしまうので、マップを頼りに全ての品種をコンプリートする楽しみ方がおすすめだ。
また、散歩をする上で筆者がおすすめするアプリが、移動経路をGPSで記録する「ルートヒストリー」。

自分が歩いた道のりが地図データに重なる形で記録されるので、散歩後に見返すことで達成感を味わうことができる。
また、すでに歩いた経路とサザンカマップと見比べることで、まだ歩いてないルートがないかも確認することができる。
アプリは無料で利用できるので、ぜひ今後の散歩に活用してみてほしい。
高い時計塔がシンボルのA地区
さっそく園内に入ると、入り口のスロープからすでにサザンカがお出迎え。
名札によると、濃い桃紅色の八重の花と、黄色い花蕊(かずい)が特徴のこの品種は「立寒椿(勘次郎)」(タチカンツバキ)。

名前に椿とあるが、サザンカ自体がツバキ科に属するだけで、この品種はれっきとしたサザンカだ。
亀戸中央公園では圧倒的に多い品種で、12月から2月にかけて咲く。
同公園の寒椿は2種類あり、低い位置に花をつける「寒椿(獅子頭)」と、人の背丈より高い立寒椿(勘次郎)が共在している。
ふとスロープの下を見ると、花が一枚いちまい落ちているのが確認できる。

これこそがツバキとサザンカの違いで、ツバキは花が丸ごと落ちるのに対し、サザンカは花弁がバラバラに散る特徴がある。
サザンカを鑑賞する際は、ぜひ木の下にも注目してほしい。
A地区は白とオレンジの時計塔を中心に広場が広がるエリアだ。

時計塔は4つの側面にそれぞれ時計が設置されているので、広場のどこにいても現在時刻を知ることができる。
ちなみに中央広場からは東京スカイツリーも見え、時計塔と電波塔がコラボする景色を望むことができる。
時計塔の麓には、白い花が特徴の「想夫恋」(ソウフレン)と寒椿(獅子頭)が咲き、想夫恋の白と寒椿の紅の対比を楽しむことができる。
想夫恋は白い八重の花の真ん中がほんのり紅がかっているのが特徴で、高さのある木に咲いている。
想夫恋とスカイツリーを一緒に撮影できるのは亀戸中央公園ならでは。
A地区には他にも、白い花が特徴で初冬に咲く「朝倉」(アサクラ)や、冬から初春にかけて長く咲く「笑顔」(エガオ)と「蜀紅錦」(ショッコウニシキ)」が咲く。
品種の多様性が光るB地区
B地区は亀戸中央公園で最も広いエリアだ。
芝生広場やベンチを多数揃えた中央休憩広場、夏季限定の人工池がある。
そしてサザンカもエリア各所に点在しているので、サザンカマップとルートヒストリーを活用しながら歩いていこう。
A地区から水神通りを渡ってB地区に入ると、「朝日鶴」(アサヒヅル)と「富士の峰」(フジノミネ)」がお出迎え。
朝日鶴は11月から12月にかけて咲き、覆紅で花弁は5枚の一重咲だ。
花の形は桜に少し似ている。
そして園路にずらっと並ぶのは、淡く白い花に黄色い花蕊が美しい富士の峰。

人の背丈ほどの木に白い花が咲く様は、まるで木に雪が積もっているようで美しい。
芝生広場の外周の園路には立寒椿(勘次郎)と、ピンクの可憐な八重の花が特徴の「乙女(オトメ)」が咲く。
乙女は個人的にサザンカの中で見た目が1番好みだ。
桜を連想させるような淡い桃色の花は、まるで和菓子のような質感を感じられる。

この品種は主に植え込みなど低い木も多いのだが、B地区芝生広場横の乙女は人の背丈ほどの木に咲いていた。
ここで少しお昼休憩を挟むことにした。
人工池のそばに東屋があり、ゴミ箱も備えているのでお弁当を食べるのにはうってつけだ。
亀戸中央公園の周辺にはコンビニが2つあり、A・B地区の最寄りは亀戸水神駅近くにあるローソン、C地区の最寄りはファミリマートだ。
筆者はB地区にいたのでローソンでお弁当を買うことに。
東屋からは人工池が見えるが、水を湛えているのは夏季のみでそれ以外の時期は水を抜いている。

水を抜かれた人工池には整った形の岩と松の木があり、ちょっとした庭園のような趣を感じられる。
お弁当を食べ終え散歩を再開。
B地区の旧中川に面した園路には、「原種」と「昭和の栄」が咲いていた。
昭和の栄はモリモリと葉をつけた人の背丈以上の木にピンクの花をつけている。

落ちた花びらは地面をピンク色に染めており、まるで絨毯のよう。
B地区とC地区を分断する鉄道高架の目の前の園路には、様々な品種が並ぶ。
サザンカマップには”新たに判明した品種多数”とあり、まだまだ品種が増えるのか…と、この公園の可能性の大きさに驚く。
他にも、「初光」や「御美衣」(オミゴロモ)、「見驚」(ケンキョウ)などの品種が咲いている。
B地区からも場所によっては東京スカイツリーが見えるので、サザンカとスカイツリーのツーショットを撮影できる。
最も多くのサザンカが咲くC地区
ここからは、鉄道高架をくぐり水神通りを歩いてC地区に向かう。
なお、亀戸中央公園はB地区とC地区を分断するように鉄道高架が通っている。
高架なので、トンネルをくぐって両地区を行き来することが可能だ。
今回は一旦公園を出て水神通りを歩いて移動してしまったが、園内でB-C地区を移動することができ、そちらの方が近道だ。
そしてC地区はテニスコートや多目的広場、児童広場がほとんどの面積を占めるアクテビティエリアだ。
一見すると散歩する場所でないのでは、と思われるかもしれないが、C地区には亀戸中央公園最大のサザンカの見どころである「サザンカコーナー」がある。
サザンカコーナーはテニスコートの北側と東側に位置し、B地区とC地区を結ぶ鉄道高架のトンネルの目の前にある。
テニスコート東側には、初光を中心に昭和の栄や富士の峰、「絞り笑顔」が並ぶ。

初光は白い大きな八重の花で、外側の花びらがややピンクがかっているのが特徴だ。
亀戸中央公園では寒椿・立寒椿の次に本数が多く、C地区ではサザンカコーナーや多目的広場の周りに植えられている。
テニスコート北東側は、サザンカ山を中心にしてバスロータリーのように園路が環状になっている。

サザンカ山は外縁に寒椿(獅子頭)が並び、中央の盛り上がったところに初光や立寒椿(勘次郎)、乙女が咲くなど紅白の花が入り混じる。
山(実際には直径5〜10mほどの盛り上がった花壇)の周りをぐるっと歩く鑑賞方法はあまりないのではなかろうか。
そして、筆者が亀戸中央公園でベストスポットだと思うのがテニスコート北側のエリアだ。

ここはテニスコートに沿うように園路が続き、その先にはC地区とB地区を結ぶ鉄道高架のトンネルがある。
この鉄道高架はおおよそ3分間隔で鉄道が通り、黄色いラインカラーが特徴の総武線や、赤と白と黒が特徴の成田エクスプレスなど様々な車両を見ることができる。
そして高架の奥には東京スカイツリーもわずかに見えるので、サザンカ・鉄道・東京スカイツリーを画角に収めた写真を撮影できる。
電車は高い頻度で通るので、撮影しやすいのもグッドポイント。
特にテニスコートの曲がり角あたりに咲く、純白の白が特徴の富士の峰にピントを合わせアップで撮ると、列車やスカイツリーをぼかして良い感じに撮影することができる。

他にも、この辺りでは先ほど紹介した富士の峰や寒椿(獅子頭)、初光などを見ることができる。
まとめ

サザンカを鑑賞できる公園は数あれど、東京スカイツリーや鉄道と一緒に撮影できる公園は中々ないだろう。
園内を歩いていても、A・B・C地区とそれぞれ性格が異なり、歩いてとても楽しかった。
特にサザンカコーナーは、周りを見渡すかぎり一面に花が咲き乱れており、とても綺麗だった。
記事が長くなりそうなので省いたが、公園の隣には旧中川が流れており、帰りは川のそばを歩いていった。
これも満足のいく散歩ができたので、もし興味のある人はこちらも歩いてみることをおすすめする。
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