11月下旬、国の特別史跡・特別名勝に指定される小石川後楽園が紅葉の見頃を迎えた。
東京ドームに隣接する立地ながら、園内には深山幽谷の如き静寂が広がる。
木曽路の山道から大泉水の開放的な景観、そして里山の風景…。
園内を歩くことで景観が移り変わる回遊式庭園特有の紅葉景色は、公園とは違った散歩の楽しさを感じさせる。
鮮やかな紅葉やいちょうの絨毯など、晩秋の庭園を巡った約1時間半の散策の模様を伝える。
住所:東京都文京区後楽1-6-6
アクセス:水道橋駅 徒歩5分/後楽園駅 徒歩6分
入園料:300円
開園時間:午前9時〜午後5時
現地レポート

11月下旬。
小石川後楽園が紅葉の見頃を迎えたと聞き、東京メトロ後楽園駅を下車して向かった。
東京ドームの横を回り込んで歩くこと7分、小石川後楽園の東門に到着した。
多くの人が行き交い活気あふれるドームから一歩踏み込むと、そこには静謐な内庭が広がっている。

中央には大池と雪吊り、奥には唐門が鎮座し、それらを紅葉が彩っている。
ここはあくまで後楽園とは切り離された内庭なのだが、まるで絵画のように完成された庭園風景を楽しむことができる。
唐門と呼ばれる門が、本当の意味での後楽園への入り口になる。
唐門は重要な文化財で通常は閉門されているので、回り込むかたちで入園した。
木曽路

木曽路を模したというエリアへ足を踏み入れる。
木々が深く生い茂り、真昼であってもやや薄暗い。
脇を流れる小川、そして曲がりくねった延段(のべだん)。
石を敷き詰めたその道を歩いていると、都心の雑踏を忘れることができて山道を歩く気分になれる。

道中には溢れんばかりのいちょうの葉が落ちている。
小川を流れる水の音が聞こえそうなほど静謐で鬱蒼としたこの空間は、個人的に後楽園の中で最も気に入っている。
大泉水に映る紅葉

木曽路を抜け、小山を登りきると、視界がぱっと開けた。
明るい陽射しの下、紅葉林が小広場に並んでいる。
それから小山を駆け降り小広場に出ると、目の前には大泉水と蓬莱島、そして徳大寺石が並ぶ。
緑、黄、橙、赤。色とりどりの葉が大泉水の水面に映り込み、大パノラマを描き出していた。
東京ドームと紅葉

その先、涵徳亭(かんとくてい)がある広場へ出る。
ここからは、園内の紅葉越しに東京ドームが見える。
歴史ある庭園に現代の巨大建築物は無粋な気もするが、これこそが小石川後楽園ならではの景色なのだと考えれば悪くない。
紅葉に囲まれた涵徳亭の隣には灯籠や巨石が配置されている。その佇まいはさながら京都の料亭のようであった。

回遊式庭園の醍醐味

西湖の堤を横目に渡月橋を渡り、フラワーアーチのように頭上を覆う真っ赤な紅葉をくぐって小高い丘へと入る。
上を見上げれば赤い葉が空を覆っている。
残念ながら通天橋は工事中であったので迂回路を通って丘を下り、一つ松や丸屋のある広場に出た。
目の前には大泉水が広がり蓬莱島が鎮座する。
この2つは先ほどの紅葉林の小広場から見えるものと同じだが景色は異なる。
これぞ回遊式庭園の醍醐味で、中央の池を周回することで様々な角度から風情を楽しむことができる。
東屋である丸屋では、この景色を腰を下ろして眺められる。

滝と紅葉の織りなす景色

さらに先へ進み、白糸の滝から流れる川を沢渡りで越えていく。
小規模ながら、滝と紅葉が織りなす景色が美しい。
紅葉を愛でながら沢渡りができる場所など、23区内にはそうあるまい。
都心にいながら、遠くへ行楽に来たかのような気分を味わう。
いちょうの絨毯

花菖蒲田のエリアへ出る手前、団体休憩所の方へ少し寄り道をした。
このあたりは、いちょうの葉が舞い散る量が凄まじい。
石の橋も石段も、一帯がいちょうの絨毯と化している。
小川の表面さえも黄色く覆われていた。
今回の散策において、かなり心に残った光景の一つだった。
団体休憩所

団体休憩所には大きな東屋があり、東門の反対側に位置するため休息には丁度よい場所だ。
木々に覆われ紅葉の色彩豊かな空間で一頻り安らぐ。
一息つけたので再び歩き出す。
円月橋を横目に小川に架かる橋を渡ると、水面には鮮やかな紅葉が映り込んでいた。
里山風景が広がる花菖蒲田エリア

今度は花菖蒲田のエリアへ。
6月には花菖蒲が咲き誇るこの場所だが、今は紅葉の見頃を迎えている。
小高い丘に登れば、紅葉、花菖蒲田、そして藤棚が一望できる。
先ほどまでの渓谷のような景色から一転、ここは里山のような穏やかな風景が広がる。
山道、渓谷、里山…。
歩みを進めるごとに景色のグラデーションが変化していく様が小石川後楽園を歩いていて楽しいところだ。
大名庭園らしい力強い地形

松原のエリアでは名物の三福団子が売られていた。
大泉水に沿うように続く園路を通り、再び東門へと向かう。
大泉水を回るような動線なので、反対側には今まで歩いてきた道が見える。
歩きながら近くで見る景色と、池を挟んで遠くから見る景色とではまた違った印象を受けた。
大泉水に沿うようにダイナミックに曲がりくねる地形には、大名庭園らしい力強さがある。

改めて見渡せば、園内の至る所が紅葉し、美しかった。
まとめ
いかがだっただろうか
都心にいながら、郊外の行楽気分を味わうことができた
都内には、紅葉が綺麗な都立庭園がたくさんあるのでぜひ訪れてみてほしい
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